長身ヴァイデンフェラーを越える巨人 |
FIFAランク2位を走るチームを撃破せんがための戦いは、結果サッカーの母国の権威失墜を予感させうるものとなり、聖地ウェンブリーは四日前に続く陥落。
そして、受け入れられないのはチリ戦に続く二度目の逆クリーンシート。チリ代表のアレクシスにも言いたい放題言われていましたが、彼の口を黙らせることはできず、逆に説得力を持たせる結果を自らが作ってしまいました。
巨人メルテザッカーのハンマーのようなヘッドが決まり、彼はMVPにも輝き、勝利の立役者となりました。グーナーの私としてはその好調っぷりをそのままアーセナルに持ち込んでもらいたい思いです。彼のヘッドがこれから本格的に佳境を迎えるシーズンで幾度となくガナーズを救ってくれるはずですから。
さて、話を戻すと、ため息を誘うような敗戦を見せてしまったイングランド。試合後のスタッツではホームチームのシュート数はなんとドイツ15の半分しかなく、しかも枠内は一つもありませんでした。鋭いシュートは後半の終わりに放たれたタウンゼントのポストを強襲する一撃のみで、精緻なドイツのペースはたとえ主力不在であろうが関係なく、要のジェラードやルーニーに特別な仕事を許さず、スリーライオンズを容赦なく飲み込みましたね。
充実のドイツはこのままでいいのではないでしょうか。どこを心配すればいいのか分りません。確かに引き分けたり負けたりもありますが、イングランドのような深刻感が感じられないのです。原石は次から次へと出てきますし、ドイツで10番を背負ったこともあるポドルスキーが怪我から復帰しても果たして戻れる居場所があるのか、かなり難しいのでは。グーナーとしてはいやですが(苦笑)自チームで主力を張る選手でさえ、対戦相手やライバル次第では、ベンチに回らざるを得ないほどの圧倒的なスカッドです。今なら、Aチームを二つ作れるんじゃないでしょうか。
代表選手を多数送り込んでいるドルトムント勢にけが人が相次いでいることが懸念材料としてありますが、通常ならばそうした頭の痛い状況でも監督のレーブはうまく立ち回り、空いた穴を完全にカバーしてきていますからね。重傷を負ってしまった無念のケディラの穴も、ベンダーブラザーズで戦力低下を防いでいます。
一方、迎撃に向かうどころか逆に撃破されてしまったイングランドがW杯本大会までに向けてすべきことは、先日大逆転勝利を収めたフランス以上に多いことでしょう。もう約半年しか残されている時間はなく、抜本的な解決策はないのかもしれません。
方法論としては救世主の出現を待つもアリですが、サウサンプトン勢やタウンゼントという絶賛売り出し中のタレント以外に、この危機的状況を前にして、そう都合よく何度も現れてくれるとは思えませんし、それにこういった他人任せ的な方法は、自国リーグに占める国産選手の割合26%がドイツ48%に比べると著しく低いというデータが最近発表されネビルが嘆いていましたが、これを考慮するといっそう現実的ではないことが思い知らされます。
もしかすると荒療治が必要な時なのかもしれません。ただ、石橋を叩いて渡るタイプのホジソン監督も派手さはないながらも大コケすることもなく、代表監督に就任した時の当初の心配の声を他所に、平穏無事にここまでイングランドをなんとか導いてきています。本大会出場を決めてきてるのは事実ですからね。FAが要求する最低限の結果はちゃんと出せているのです。ただ最近は行き詰まり感がより顕著になってきたのも事実。
ただ、彼をこのタイミングで解任するようなことは考えられないため、やはり今ある現有戦力でなんとかするしかないと思います。誰よりもライオンハートの意味を理解しているランパードやジェラードもすでに30歳を越え、試合への影響力は年々低下しています。年齢ゆえに無理もありません。
これからの強化方針を再考せざるをえないイングランドですが、山積みの課題をどう消化していくのか、ポッド1に振り分けられた実力が間違いではないことを証明してもらいたいところです。
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