このブログでは主観に基づく雑感がほとんどです。アーセナル9割、その他の話題で1割くらいです。そして、今一番やりたいことはエミレーツでの生観戦。毎日更新をできるだけ心がけています。試合がないときはアーセナル以外も取り上げます。

11/20/2013

2nd Leg フランス v ウクライナ ~死闘の果てにあった大団円のトリコロール~ 

触れずにはおれないのが、フランスのW杯行きの切符獲得についてです。結局最後の最後までもつれましたが、流石の地力を見せ、見事国民の期待に応えてみせました。すったもんだあれど、そこはフランス。正念場で見せた執念は伊達ではありません。思いの強さがウクライナを上回った格好です。


おれたちは強い!

不振を極めたベンゼマのゴールやサコーの2得点で、ウクライナの反撃をシャットアウト。シュート数24の枠内9。気迫と攻め気が伺えます。コシエルニーは1stレグでのレッドで今回は出場停止処分を食らっていましたが、残りの二人は終盤に投入され勝利に貢献。イエロー6枚に両軍あわせたファウル数が40以上と激戦を物語っています。


特に印象的だったのはサコーが値千金の先制点を決めても、そこで一切喜びを表現せず、睨みつけるような鬼気迫る表情で自陣に戻っていったのはものすごく心を打つものがありました。そう、まだ1点だからです。残念ながらオフサイドになりましたが、リベリーからのクロスを身体ごとゴールネットに突っ込んだベンゼマもそうです。


彼の正真正銘のゴールでは、ベンチやスタッフが一体化した喜びようは、もう嬉しすぎて何をどうしていいのか全然分らない!といった感じの感情の爆発でした。ベンゼマがスタメンを外れたベンチのジルーに身体ごとぶつかっていきましたね。センターフォワード争いを繰り広げるライバルですが、気高きトリコロールの血が流れてるのは同じです。


二点取ってから猛攻の姿勢がさらに強まったように思います。当然ですね。合計3点獲らねばそこで終わり、まだ負けている状況は変わりません。2点獲れたところで無意味ですから。それに攻撃は最大の防御ですし、逆転のハードルが異様に上がるため、1点たりともやるわけにもいきませんでした。


リベリーの積極果敢なドリブルも7と多く、記録こそ残せませんでしたが、これでこそ最優秀選手賞を獲った男という活躍でした。誰もが認めるところでしょう。そして運命の3点目の瞬間が訪れます。ゴール前の混戦の中、リベリーのシュートをサコーが膝(オウンゴール?)に当ててネットに突き刺し、ウクライナの息の根を完全に止めました。一人少ない状況で、これでもう完全にノーチャンスでした。この瞬間にフランスのブラジル行きは確定したと思います。それくらい昨日のフランスは強かった。


スポーツはやはりメンタルだというのが私の考えです。テクニックや戦術も言うまでもなく非常に大切ですが、最後にモノを言うのは個人のメンタル。苦しい時にふんばりがきき、危機を回避するために求められるのは高い技術や戦術でも卓越した采配などでもなく、気持ちでありハートの部分だと思います。


私は精神論が大好きです。いや、むしろそれ以外にないとさえ思っています。今回ギリギリに追い詰められていたのはFIFAランクが上のフランスの方です。奈落の底に落ちていくのか、そこから這い上がっていくのかの選択は、対戦相手のウクライナではなく、すべてこの国の動向に委ねられていました。過去に最強の頂を見たことがあるトリコロールにとって、予選敗退など南アの恥辱を上回る悪夢以外の何者でもないでしょう。


身から出た錆とはいえ、絶体絶命の危機を前にしてフランスのいないW杯を予期せざるを得なかった人もいた中で、デシャン監督の下で見事に劣勢を跳ね返し、本大会出場への最低条件だったトータルスコア1点差を現実のものにし、ホームで会心の勝利を収めました。これぞ、本物のミラクルでしょう。夢を叶えてもらえました。


遅れてきた本命に世界からの拍手は鳴り止まないはずです。もちろんこの勝利だけを挙げて、楽観的にもフランスの復活を予想できるわけではありません。勝負弱さの克服や際立った個の融合など、本大会までにせねばいけないことは山のようにあります。


しかし、レ・ブルーには栄光を知っている大先輩がたくさんいるので、きっと彼らが自らの力で窮地を乗り切った後輩たちを最大限にバックアップしてくれるでしょう。そう、ジダンもいますよ。胴上げされて宙を舞うデシャンのスーツ姿やジルーやリベリーの気が引き締まるような決死の発言に同国の奥底に秘めた団結力が見えた思いです。


最後の最後にきっちりとまとめてくるあたり、来年、南半球にある欧州勢完全アウェーの地でどこまでの躍進ができるのか、観戦の楽しみが一つ追加されました。間違っても2010年の時のように、一次リーグ全滅という、あるまじき姿だけは見たくありませんからね。


現役代表ではあの時の屈辱を知るのはリベリー、ロリス、エブラ、サニャなどと数少ないだけに、対戦相手がドコになるのかまだ分りませんが、高すぎた授業料はぜひ来年にきれいに清算し、教訓を活かしたフットボールを展開してもらいたいですね。どのような形であれ、一次予選を突破することが、思い出したくもない過去を振り払う唯一の方法かと思いますから。


そして、この偉大な勝利はウクライナという好敵手がいてこそ生まれたものです。これほどの感動的なドラマを目撃できたのは彼らが強かったからに他ならず、気の毒すぎて慰めの言葉は何もかけられませんが、プレーオフきってのグッドルーザーの称号にふさわしいのは間違いありません。タイムアップの瞬間、放心状態でピッチに崩れ落ちる選手がたくさんいたのは、やはりウクライナもこの戦いに賭ける思いが尋常ではなかったということでしょう。


さあ、W杯出場に向けて、代表のガナーズ三人衆も代表戦などの中断期間を経てようやく23日に再開するリーグ戦、対サウサンプトンに向けて、モチベーションが大幅にアップしているに違いありません。特にジルーやコシエルニーにとっては初めてのW杯。フランスという若手豊穣のお国柄を考えると、4年後も30を過ぎた彼らが選ばれている保証はありません。なので、歓喜で昂ぶったエンジンで好調すぎる三位を踏み台にし、シーズンラストまで暴れまわってもらうために大いにフル回転させてもらいましょう。


本日は3本立てでお送りしようと思っていたのですが、思いが詰まっている分、最も応援している分、レ・ブルーだけで文字数がえらいことになってきましたので、明日以降に書き溜めてある残りの記事を公開していきたいと思います。ので、セインツ戦が始まるまでの間、今しばらく代表戦シリーズを宜しくお願い致します(笑)




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