このブログでは主観に基づく雑感がほとんどです。アーセナル9割、その他の話題で1割くらいです。そして、今一番やりたいことはエミレーツでの生観戦。毎日更新をできるだけ心がけています。試合がないときはアーセナル以外も取り上げます。

11/25/2013

残り35分の互角の鍔迫り合い

プレミアのパワーとスピードからくる激しいダイナミズムは、同系統のドイツのブンデスやフランスのリーグアンのさらに上を行くため、世界で一番タフネスさを要求される過酷なリーグと言えそうです。とりわけ上位陣にはその中にも洗練された技術やコンビネーションがあり、猪突猛進なフットボールやロングボール一辺倒のフットボールをいなす術を持っていたりするものですが、それでも下位が上位を食うような下克上が頻繁に起こるのはプレミア特有のものかもしれません。

一昔前のロシツキーです。髪が短いですね

シーズン終了後の順位で上位陣の顔ぶれは結局常連組になるのですが、インビンシブルズを達成した時のガナーズの無敗記録は別にして、優勝チームも二番手も三番手も必ずといっていいほど中堅以下のチームに足をすくわれています。実際に予期せぬアップセットも起きますし、中堅が上位を食う姿もわりと目にします。これはリーガやブンデスではあまり目撃できないように感じます。


先日のセインツ戦は勝ちこそしたものの、局面局面の競り合いや球際での勝率が芳しくなく、エミレーツのサポーターに魅惑的なアーセナルフットボールを惜しげもなく披露できませんでした。万年下位が定位置だったセインツが今期3位と大躍進を遂げた強さが、インテンシティーにあるのだと対戦してみて理解できました。インテンシティー、プレー強度と訳せばいいでしょうか。


例えばそれはタックルの深さであったり、相手を跳ね飛ばすような身体の当て方であったりです。セインツの圧力の前に、アーセナルらしさはほとんど出させてもらえず、ガナーズ1のパス成功率と正確性を持つアルテタのパスミスやラムジーの不用意なボールロスト、ウィルシャーやカソルラも効果的な動きは乏しくほとんど消えていました。


エジルの一瞬のひらめきこそセインツの喉元に冷たいものを何度か押し当てていましたが、やはり彼も消されている時間が長かったように思います。(63分のエジルの間合いやタッチ、フェイントはどこか中村俊輔を髣髴とさせます。これに関してはまた後日)


これは誰かが悪いということではなく、相手がインテンシティー全開できたことに加えて、全体的に周囲のサポート量が不足していたからもあるでしょう。どれだけ状況が最悪でも個人で無理やり打開できるロナウド、メッシ、イブラのような規格外はアーセナルにはいませんので、となると、ガナーズの生命線である連携が分断されてしまうと、たちまちパニックをはらんだ右往左往を余儀なくされます。


パスコースはあったと思いますが、なにせその肝心のパスに正確性が欠けていました。バルセロナほどではないものの、プレミア一、二を誇るパス&ムーブのフットボールこそがアーセナルに息づく哲学です。ワンツーや三人目の動きを封じられ、自分たちの色を出せないとなると、必然的にどうなるかは火を見るより明らかです。


プレッシャーが強いため、出し手がフリーにやらせてもらえないこともあり、最前線のジルーがポストをすることができず、厚みのある攻撃が繰り出せず、ラインも押し上げられず、陣形をコンパクトに保てず、リバウンドやセカンドボールをことごとくセインツに拾われてしまってました。


実際パワープレーに弱いのは、長年つきまとっていたアーセナルの痛し痒しのところです。セインツがパワープレイをしていたわけではありませんが、強さをはらんだプレッシャーはもはやパワープレーに匹敵。ただし、後半55分以降は彼らのペースに慣れてきたのか、アーセナルもポゼッションが上がっていき、パスが回り始めます。展開は互角に。


攻撃陣に軽量級のプレイヤーが多いガナーズの中盤は長い時間輝きを発揮できませんでしたが、後半途中出場のロシツキーが入ったことで、さらに運動量と推進力が活性化され、ガナーズが息を吹き返します。余談ですが、33歳になったロシツキーは実質一年棒に振ったシーズンがあるので一年分のダメージはないものとみなしていいかもしれませんね。


この試合、誰が見ても、大勢を支配していたのはサウサンプトンだったかと思います。勝てたのはジルーのダブルのおかげですが、セインツ守備陣を崩して自力で得た勝ち点3ではありませんでした。二点とも相手の自滅。だから勝ちに相応しくないなどと綺麗事をいうつもりは毛頭ありませんが、55分頃まではインテンシティーの部分で負けていたのは事実で、下手をすると押し切られていた可能性すらあります。


これからもこういうハードな戦いが待ち構えているのは明らかなので、ベンゲルがどのような対策を講じてくるかが首位を堅持する上で必要になってくるのは間違いないですね。目には目を、歯には歯をではありませんが、インテンシティーにはインテンシティーをぶつけましょう。アーセナルにもいますよ。キャノン砲を持つシューターが。




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