幾度と戦ってきました |
何週にもわたって一位の座を守ってきましたが、前節ついに頂上を絶好調のリバプールに明け渡してしまいました。リバプールとシティーが順位を一つずつ上げ、アーセナルとチェルシーが一つずつ順位を下げるという変動が起こったことにより、一試合分にも満たない勝ち点の中に上位5クラブが熾烈なレースを繰り広げることに。近年稀に見る大混戦模様です。
ただこの団子状態を作り出してしまったのは他でもないアーセナルです。二位との勝ち点差を充分に取って快調に走っていたのも今は昔。本拠地で迎えたトフィーズ戦あたりから勝ち点がこぼれ始めます。力強く統制されたエバートンスカッドとの戦いは今期のベストバウトとも言える熱戦でした。これこそ本当の意味でドローが妥当でした。
仮に負けてしまっていたらもっとシビアな内容のブログになっていたと思いますが、勝ち点1ずつを分け合えたほうがまだマシです。タイトルを得んがための戦いの果てにあるのは、歓喜と悲劇のみです。最後の最後で勝ち点1に泣くのがプレミアの特徴ですから、このドロがー後々大きな意味を持ってくるかもしれません。
ただ内容を見ると、ドローやむなしとしたり顔で言えるほど余裕のある戦い方はできていません。ナポリ、シティー相手に連続で負け、チーム全体が後ろ向きになっているとまでは言いませんが、自分たちのフットボールが通じなくなりつつある中で、迎えたビッグロンドンダービー。相性最悪のモウリーニョチェルシーとの対戦前には、策士な敵指揮官が不気味な雰囲気を漂わせていましたが、90分間の決着はスコアレスドローに終わっています。
正直ホームチームはどっち?と考え込まされてしまうシーンも多々あり、シュート数では13に対して7と完全に負けていました。ランパードのバー直撃ボレーもありましたし、冷や汗を掻かされたのはエミレーツに詰め掛けたグーナーであり、対峙したガナーズでした。守備にプライオリティーを置き、前線を三枚も交代させたチェルシーに対し、ベンゲルは交代なしで前後半を戦い抜きます。
ちなみに、エジルが熱くなったシーンですが、あれはイバノヴィッチの足が確かにリスキーです。ほぼエジルの背面から突進してきたので気づけないでしょう。雨が降りしきる冷たいエミレーツですが行方はスコアレスでも両チームはファイトしていました。若干荒れ気味だったのはレフリーの安定しないジャッジも関係あると断定しますが、例え主導権を握れなかったり、得意のパスフットボールができなくても、戦う姿勢を見せてくれたことには精一杯の拍手を送りたいと思います。
せめて低調だったテオだけでも交代できたのではないかと思うのですが、ボスの思惑やいかにといったところです。復帰を果たした彼に試合をできるフィジカルレベルが戻ったかどうかの確認をトータルで見たかった狙いもあるかもしれません。レーティングこそ両軍の中で最低なのですが、テオがフルで戦える目処が完全についたのは少ない収穫の一つではあります。
あとはやはりポドルスキーを見てみたかったですね。彼の価値は昨シーズンの出来で証明されています。エジルとのシナジーです。回復はテオから少し遅れることになりましたが、今や実戦にも耐えうるはずです。二人のドイツ人はちょうど入れ替わりでしたから、まだ一分間すら同じ時間をピッチの上で共有できていません。
ポドルスキーがいれば勝てたと、そこまで楽観論を繰り広げるつもりはありません。ただ机上の空論に過ぎなくとも、彼という触媒により、これまでと違った何かが生まれる可能性はあります。プリンスとも呼ばれるドイツ人アタッカー本人は何も変わらなくとも、周囲が彼のエネルギーに影響を受ける可能性は大です。
個人的に思うに、一番受けるのはやはりエジルじゃないでしょうか。この度のガナーズ移籍。これに決定的な役割を果たしたのは、ドイツ代表で同僚のポドルスキーと聞きます。彼の明るい兄貴肌なパーソナリティはtwitterなどで広く知れたところですからね。
この停滞感を感じているのは実際にプレーする選手達でありボスです。これを打ち破るためにベンゲルも様々なパターンを思考していると思いますが、結果が伴わなくなってきた既存のパズルをどう組み合わせるかよりも、元々あったワンピースをパズルにあてこんだほうが、見た目も中身も劇的に変わる可能性があります。
もちろんこれがたらればなのは承知の上ですが、いずれにせよ、次節ウエスト・ハム戦以降、しばらくは中位以下のチームとの対戦になりますので、復帰直後のポドルスキーには出番が確実に回ってくるはずです。期待したくなるものがあるんですよ、彼には。
チェルシーはやはり強かったし一筋縄ではいきませんでした。フォワード陣に恵まれなくても結果を残し続けるモウリーニョがいかに優れた監督であるかも改めて再認識しています。来年は彼らの本拠地、難攻不落の名をほしいままにする、スタンフォードブリッジの死闘が待っています。それまで首を洗って待っていてもらいましょう。
そして次節はアップトンパークに赴き、ウエストハム戦です。同じ首都ロンドンがホームタウンの下位クラブをしっかり叩けば再び首位に返り咲けます。なぜなら裏試合にエティハドで行われるリバプール対シティーがあるからです。お互いに攻撃力のあるチームです。
根こそぎ蹂躙できるガトリング砲と極限に磨き抜かれた真剣の真っ向勝負。リバプールといえどプレミア最強のクラブが相手では簡単にはやらせてもらえないでしょう。それはシティーとて同じです。しかし、仮にレッズが負ければ一気に五位転落もありえます。
ガナーズの未来は自分達で切り拓いていくしかない。これは決して大げさなことではなく、我らがアーセナルのこれからの勝敗が、20クラブが所属するプレミアのキーになってくると思います。
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