このブログでは主観に基づく雑感がほとんどです。アーセナル9割、その他の話題で1割くらいです。そして、今一番やりたいことはエミレーツでの生観戦。毎日更新をできるだけ心がけています。試合がないときはアーセナル以外も取り上げます。

12/31/2013

v ニューカッスル (BPL) ~プラハの風~

アーセナル、数年ぶりの首位ターンです。ミッションコンプリート。プレミアには首位で前半戦を終えたチームは優勝するというジンクスがあるのを、今はただただ信じたい気持ちです。自分たちの頭上には誰もいませんし、何者も追いかけていません。


あとどれだけ手を伸ばせば、欲しかった優勝という二文字にたどり着くことが出来るのか。さあ、近年、ユナイテッド、チェルシー、シティーの3チームだけでトロフィーを独占してきた高くて厚すぎる壁に、たくさんの想いが込められた赤い大砲を向け、遠くまで見通せる綺麗な風穴を開けてしまいましょう。

栄光に向かって突き進め!
2013年12月29日第19節、敵地セントジェームズパークへ赤いユニホームを纏って臨んだ戦いは0-1という渋いスコア、俗に言うところのウノゼロでのガナーズ勝利に終わりました。


無事に勝ち点を加算でき、シティーの勝利を気にすることなく、再び定位置の首位に戻ってきました。どれだけライバルが勝利を重ねようとも、アーセナルが勝ち点を1以上上回っている現状、行軍を続けるアーセナルの肩に彼らは手をかけることはできません。


ファイナルサードでのクリエイティビティという点でいけば、司令塔のエジル不在を感じさせましたが、ボスが先発で送り込んだ今節のスカッドは流動的に動いており、ボールの受け渡しはスムーズに行われていました。パスの出し手と受け手が止まっていないため、前半はセカンドボールをことごとく拾えていたのも、アーセナルの中盤支配があったからでしょう。


ロシツキー、フラミニ、ウィルシャーと前節ハマーズ戦でお休みをしていたフレッシュな面子で構成されたミッドフィールドは、ニューカッスルを完全に上回っていました。フィールドプレイヤー最年長のロシツキーの献身性をあらためて認識できた試合でもありました。モーツァルトとも形容される彼も今は33歳。以前観衆にため息をつかせていた華麗なプレイの数々は見られませんが、進化した彼はアーセナルに必要な何かをもたらしてくれています。


様々なところですでに指摘されていることですが、この試合で見せたロシツキーの輝きをウィルシャーは手本にすべきかもしれません。全グーナーが熱狂しているに違いない、ロシツキーのアーセナルでの引退発言。今でもボスがスタメンで起用するのは、彼にビッグクラブのアーセナルに貢献できる力があるからに他ならなりません。ウィルシャーがどういうスタイルを目指すのか分りませんが、エースナンバーの10番を与えられたセンスの塊とはいえ、今でもその方向性が定まっているとは思えないのです。


シュートが少なかったり、決定力が今ひとつだったり、年間を通してクロスもそれほどない、と攻撃的ミッドフィールドとしては物足りない面もあるのは事実ですが、フィールドを駆け回れるスタミナが下支えするのは味方が困っている時に必ず顔を出してくれる嗅覚。リンクマンとしての役割です。ユナイテッドのギグスも年齢の経過と共にポジションを下げ、リンクマンとして求められたタスクをこなすこともありますが、元々が中盤の選手でスタミナと配給に優れたロシツキーのほうが、高いレベルでこなせています。


アーセナルだから要求される役割ではなく、これはどのクラブであっても需要が高いはずです。中盤が間延びするのは、色んな理由が考えられますが、リンクマンがそもそもいないからです。ロシツキーがそれをこなしていることで中盤の密度は保たれ、オフェンスとディフェンスの、イレブン全員の呼吸が合うと思うのです。戦術的にあえて中盤を飛ばす選択をしているので有名なのは現在12位のストークであり、古き良きイングランドスタイルを貫くチームがそうですね。


ウィルシャーはまだ21歳です。アーセナルの未来を背負う彼が目指すべきスタイルはロシツキーのように風になることではないかもしれませんが、少なくともロシツキーがこれから何年もトッププレイヤーとして活躍できる保証はなく、アーセナルに在籍していられる年月も日に日に減っていっていますから、いちグーナーとして今、吸収できるものは吸収して欲しいと思う次第です。それはラムジーとて同じです。


ロシツキーの話しから元に戻すと、ニューカッスルは前節ストークを5-1で葬り去っていただけに警戒しなければいけない相手でした。11-12、12-13シーズンはチャンピオンシップ(イングランド二部)を彷徨っていましたが、古豪は古豪。れっきとした名門クラブです。アーセナルに勝っていれば、五位に転落したリバプールのすぐ下の順位で新年を迎えることができましたが、得点から見放されていたジルーの10試合ぶりとなる65分の一発に泣くことになりました。


ジルーに得点が生まれて本当に良かったです。無得点のまま年を越して、カーディフ戦を戦うのとそうでないのとではメンタルが異なりますからね。味方を生かすプレイに巧さがある彼ですし、計算できるフォワードがいないアーセナルの事情からして、手持ちの駒が少ないボスとしては、彼をこれからも不動のワントップとして先発出場させるでしょう。


冬の移籍市場ではストライカー獲得は不要と彼も言ってますが、それをボスに思わせられるかどうかは、ジルーが責任を果たせるかどうか次第です。復帰し即結果を残したポドルスキーもテオの両名ともフォワード扱いですが、彼らはウイングでも活躍できますからね。


敵で怖かったのはやはりベンアルファですね。なぜ途中出場だったのか不明ですが、怖さが他の選手を上回っています。ゴリゴリのドリブラーは厄介です。そんな選手はプレミア広しといえど、数えるくらいしかいないのでは。ゴール前でボールを持ったときの選択肢はドリブル一択。


結果的にマグパイズを零封に抑えましたが、メルテザッカーや戻ってきたコシエルニーたち守備陣の鉄壁が光った試合とはいえ、怖さを感じさせるプレイヤーがベンチに控えているというのは不気味です。何か良くないことが起こるかもしれないというサインですから。


ともあれ、首位です。得点能力が落ちていても守備力は上がってます。今年のアーセナルはいつもと違うし、実際に結果も出せています。マンチェスター勢には勝てなかったり、チェルシーとはスコアレスに終わったり、リバプールには勝ったり、中堅以下には確実に負けなかったりと、様々な悲喜こもごもが絡み合う中で、見晴らしの良い頂上で下の世界を睥睨できるのはアーセナルだけです。


選手のコンディションに一切の配慮がない殺人的なスケジュールをどれだけうまくやりくりして切り抜けるか、それは試合に臨むスターティングメンバーを決めるのと同じくらい、各クラブの監督に委ねられた重要な仕事の一つですが、ベンゲルならきっと答えを見せてくれるはずです。ベテラン、中堅、若手と各世代がうまく噛み合ったアーセナルは来年どんな姿を見せてくれるのか。


視界明瞭の越年をプレゼントしてくれたアーセナルに感謝します。




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