イタリアに飛び、水曜にナポリとのグループF最終節に挑むアーセナルですが、ある意味で、この一戦は4日後に控えたシティー戦以上に重要。あくまでプライオリティーの差です。落せば勝ち点12で敗退の危機さえはらんでいますから。確かに効果的で効率的なローテーションも必要ですが、イタリアの地で戦うスカッドは保有する最大戦力でぶつかったほうがいいのではと思います。
紳士という言葉が似あいます |
勝ち点12で突破できるかどうか分らないために様々な勝ち点計算シュミレーションが生まれるこの状況は、チャンピオンズ史上でも稀に見る大混戦が生んだ結果です。
ナポリ、ドルトムント、マルセイユと各国の強豪ばかりが同じグループに居合わせてしまったがために出現したのが、戦力が拮抗したこの死のグループです。特にドルトムントとマルセイユに至っては、11-12と同じ顔触れで、またも角を突き合わせることになっています。
チャンピオンズ開幕当初に比べ、順位に変動があり、いまなお首位をキープできているのは我らがアーセナルだけになりました。ドルトムントの主力にけが人が相次ぎ、特にバックラインがほぼ壊滅しているのは、痛いほど気持ちが分かるアーセナルとしても気の毒としか言いようがありません。いまだ記憶に新しいのは本拠地のシグナル・イドゥナでの対バイエルン戦を0-3で落としたあの事件です。
事件と書きましたが、近年のブンデスをリードするクラブ同士のナショナルダービーとあって、しかも首位対2位の直接対決ですから必然的に盛り上がらないわけもなく。因縁もあったり、ベップが始めて合間見える本物の強敵との初対戦でもあり、レアル対バルサのクラシコにも引けを取らない、世界が注目していた世紀の一戦のはずでした。
どちらが勝つかという声がしかし、惨敗。ドルトムントの息子とも言えるゲッツェにまで得点され、被った精神的なダメージは大きいと言わざるを得ず、これを事件と言わずして何を事件と言えるのかというほどのショッキングな出来事だったように思います。こういう負け方を予想できた人はほとんどいないのではないでしょうか。
ユナイテッドが5-0で大勝したレバークーゼンにも競り負け、ドルトムントはいつの間にか3位に転落。主力が軒並みアウトだったことはやはり要因として大きかったように思います。けが人の多さはやはり、"やりたい"フットボールに大きな影響を与えるのだなという教訓ですね。それだけにクラブお抱えの医療チームや日ごろの練習メニューには一層気を配らねばいけないのでしょう。
だからこそ、主力級の移籍が毎年の恒例行事と化し、11月以降の野戦病院状態もまた恒例行事化していたアーセナルを毎年チャンピオンズに連れて行き、世界と伍していけるレベルにまでスカッドを纏め上げたベンゲルの手腕が輝きます。昨年の実績から選ばれるFIFA年間最優秀監督賞の候補が3人にまで絞られましたが、そこにボスの名前はありません。ちなみに選出されているのは、ハインケンス、クロップ、ファーガソンです。
優勝という実績が必要なら確かにベンゲルは無敵だったあの頃以来、FA以外長らくタイトルとは無縁です。数字がモノを言う世界なので仕方ないとはいえ、もっと違う賞があってもいいのではないかと思いますね。比較的最近創設された賞で言えば、最優秀若手に与えられるゴールデンボーイ(ユベントスのポグバが受賞)が賞がありますが、そのついでに、フットボールの人材育成に貢献した監督賞的なものがあってもいいのではないかと思う次第です。
若いグッドプレイヤーは後から後から出現しています。ウィルシャーのように自前のアカデミーや、セスクやラムジーのように他クラブでも若年の頃から引き取り、じっくり育てて、何があっても信じ抜き、アンリやベルカンプ、ヴィエラなどポテンシャルはあるが燻っている選手を特別な選手に育てたり。こういったベンゲル的な育成の仕方はもしかしたら彼にしか出来ない独特なのかもしれませんが、もっとクローズアップされても良いのではと思います。
ナポリからの勝利。そのためにフル回転しているボスの頭脳は、送り出す11人の精鋭に誰を選ぶのか。たとえ負けても条件次第では決勝に進めるガナーズですが、やはりここはきっちりと勝って、後に引きずるものがなにもないクリアなメンタルでぜひグループリーグの首位を盤石のものにしてもらいたいところです。二位とはどこかでまた闘うことになりますからね。それがナポリなのかドルトムントなのか。
決戦の場はイタリアはナポリです。
決戦の場はイタリアはナポリです。
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