このブログでは主観に基づく雑感がほとんどです。アーセナル9割、その他の話題で1割くらいです。そして、今一番やりたいことはエミレーツでの生観戦。毎日更新をできるだけ心がけています。試合がないときはアーセナル以外も取り上げます。

12/27/2013

v ウエストハム (BPL) ~16m級09マグナム~

敵地アップトンパークでの戦いとはいえ、格下のウエストハムを押し込めないのが現在視界不良のアーセナルです。シティー、チェルシーとの上位攻防戦から顕著になり始めた閉塞感を持ちながら観戦したグーナーも実のところ多いのではないかと思います。ただ、これ以上負けられるわけもなく勝利は至上命題の中、後半20分、彼が出場しただけで明らかに空気が入れ替わりました。


頼れる男がようやくカムバックです!
まさか予想通りになるとは思いも寄りませんでした。アーセナルの9番ポドルスキーのノートラップボレー。復帰戦待望のゴールはハマーズの息の根を止め、モウリーニョの言葉を借りると、試合を殺す決定打となりました。ゴールマウスから16mの距離から放たれた左の一撃。ゴール後の彼の喜びようを見ると、漂っていた閉塞感など打ち消すには充分でした。


1人がこれだけ試合に影響力を及ぼすのはなかなか見られるものではありません。未だ記憶に新しいのは、09-10シーズンのアストンビラ戦で途中出場を果たしたセスクが2得点をマークし、直後負傷により無念の交代と、この試合の全てを持っていった圧巻の一人舞台。ワールドクラスのなせる業です。


それに匹敵するほどのインパクトがあった今節のポドルスキーによる豪快弾でした。すでにテオの二発により逆転に成功していた後ですが、14番の同点弾が生まれたのも、ポドルスキーが出場を果たし、影響力を発揮し始めた後の出来事です。試合を見ていれば、彼の出場を境にして明らかにスイッチが入れ替わったのがハッキリと手に取るように分ります。いきなり仕事をするとは、やはり、彼は持ってますね。


災い転じて福となすではありませんが、ラムジーの負傷こそ軽症を祈りますが、ポドルスキーが復帰戦を飾れたのも、何かのきっかけかもしれません。ラムジーはほとんど全ての試合に出場しており、フィールドプレイヤーの誰よりも出場時間が長い。それだけベンゲルの厚い信頼があるのだと思いますが、縦横無尽に所狭しとピッチのどこにでも顔を出す彼に休養を与えるために、この負傷はある意味必要だったと思います。幸い自分の足で歩いてピッチの外にまで出れているので引きずるほどのダメージはないかと思います。


次節の年内最終戦には二試合分の禊を終えたウィルシャーが戻ってきますので、指揮者とも称されるベンゲルには復帰組とあわせて、勝利を望める最適なパターンを11人のスカッドにあてはめてもらいましょう。これで負傷者は残り三人までに減り、もうすぐ復帰のオックス、サノゴ、そして長期離脱中のディアビです。オプションが手元になさすぎるのが例年のアーセナルでしたが、今年はもう大丈夫でしょう。


カソルラのパフォーマンスもかなり見ごたえがありました。昨年のキレが戻ったかのようなドリブル、シュート、パス。特に左から繰り出されるサイドチェンジはかなり有効でした。ロングパスというイメージは正直余りないのですが、ウエストハム戦で彼が見せた精密なロングキックの数々は、スペイン代表の同僚であるシャビ・アロンソを彷彿とさせます。


さらに秀逸なのはシュート数。カソルラはチーム最高の8でした。残念ながらゴールこそ決まりませんでしたが、プレミア後半戦に大いに期待を持たせてくれる好材料となりました。シュートを打つ選手は勢いに乗りやすいですし、相手を押し込めます。それに彼は絶対に決まるシュートしか打たない完璧主義者ではありませんし、持ち味はテクニカルな個人技や連携からの崩しだけではないということですね。


カソルラがエジルとダブル司令塔のような形を取れば攻撃が多彩になります。お互いに機動力のあるタイプなので、変幻自在に役割を入れ替わってくれれば相手も的を絞りづらく、マークが分散するはずです。そこにポドルスキーやテオなどの一芸が絡んでくると、手詰まり感があったオフェンスが活性化するのではないかと思うのです。


復帰組の存在は言うまでも泣く相当大きいです。怪我でもない限りは元々スタメンを張るような選手たちでしたから、当然といえば当然なのかもしれませんね。次第に計算できる戦力が戻りつつあり、ボスが冬の移籍市場で新しいフォワードの獲得にサポーターほど執着していないのもなんとなく分ります。まあただ公言していないだけで腹の中には隠し持っているのかもしれませんが(笑)。


これまでエジルとジルー、ラムジーの三人がメインで攻撃を組み立て引っ張ってきていましたが、その三人ともが少しずつ調子を落し始め矢先に図ったかのような失速でした。特にジルーの不調ぶりは明らかにスランプに突入しています。味方も信じて彼にパスを飛ばしてくれますが、枠に飛ばせられない彼の悔しがりようは見ていて本当に伝わってくるし、なんとかジルーに点を取らせようと周りが守り立てているのが手に取るように分ります。


FWが水物なのは確かですが、このハードルを乗り越えられれば、彼は確実にステージを上げられると信じています。アーセナルを出て行く発言で冷たい視線を浴びているベントナーですが、彼の真意はどうあれ、駒の少ないセンターフォワードの二番手としてリーグ最終節までジルーの交代要員でも何でも良いので頑張ってもらいたいところです。少なくとも宮市よりはチャンスはもらえていますからね。


ハマーズに1-3と勝ちましたが試合内容はまだ改善すべき点が多く、首位に戻ってきた事実を手放しで喜べるほど楽観的ではいられません。プレミアは世界最大の激戦地帯ですから、今日の勝利が明日の敗北で帳消しになることなど日常茶飯事です。人々が興奮に沸くジャイアントキリング回数も多く、どこが勝ち名乗りを上げてもおかしくないハードファイトが日々行われているのです。


しかし期待をかけたくなるような選手が続々戻ってきたのも事実。アーセナルはまだまだ挽回できます。首位にふさわしい勝ち方をこれから一貫して続けられたら、CLベスト16の王者バイエルン相手でも気持ちで絶対に負けないでしょう。フットボールはメンタルが大きく作用するスポーツです。グーナーが叫び始めたという事は、何かが生まれたという事です。それが何なのかが理解できた、アップトンパークの逆転劇でした。


激戦必至のプレミア後半戦、託せます。




ランキングに参加しています
応援してくださると励みになります^^

にほんブログ村 サッカーブログ プレミアリーグへ

0 件のコメント:

コメントを投稿