このブログでは主観に基づく雑感がほとんどです。アーセナル9割、その他の話題で1割くらいです。そして、今一番やりたいことはエミレーツでの生観戦。毎日更新をできるだけ心がけています。試合がないときはアーセナル以外も取り上げます。

1/02/2014

v カーディフ (BPL) ~88分からの勝者のメンタリティー~

横殴りの激しい雨がエミレーツに降りしきる中、カーディフ次期監督候補とされるスールシャールが見守る中、シティーが順当勝ちを収めぴったりと背後を追走される中、ラムジーの古巣カーディフをホームに迎え、今年最初のゲームが開始。1月1日元旦、なにせ年の初めですし、負けるわけにはいきません。問われるのは内容ではなく、結果でした。


試合結果:2-0(エミレーツ) 
得点者:ベントナー テオ 
シュート数:28(枠内6) 8(枠内2)
ポゼッション:68% 32%


ジャージ姿のベンゲルを久しぶりに見た気がします。2014年一発目から見事に着こなすいつものスーツスタイルから、がらっといでたちを変えてくるのは何か思うところがあるのでしょうか。


それがボスの験担ぎなのだとしたら、首位ターンで締めくくった2013年の勢いと一貫性を、今年もおおいに期待したいところです。一貫性ある者が勝者ですからね。ビッグマッチに勝てば弾みがつきますが、たくさんある試合の中の一つにしか過ぎません。


さて、試合に目を向けると、開始早々から、テオを使おうというチーム全体の共通認識が見て取れます。実際チャンスになっていましたし、彼の動き出しのキレを見たら周りももっと使いたくなるでしょう。テオ、サニャという組み合わせはお互いの相性を補完しあう関係なのでしょう。二人の間に誰かが入ることで、よりスムーズで鋭い攻めが実現しています。データ的にも、アーセナルの攻撃は右サイドが左より断然多いのはそうした理由があるかもしれません。


引いて守る相手でしたが、中盤の構成力と展開力ではそれを志向するアーセナルが平面勝負で負けるわけがなく、テオへのロングボールを出すための工夫がかなり見受けられました。あと前半15分、サニャの直接FKは始めて見ました。壁に当たりましたが、相手GKを惑わせるためにも、序列ある中でもキッカーがたくさんいるのはいいことです。セスクを見ても分かるように、いいパサーがいいキッカーとも限らないですからね(笑)。


ポドルスキーにはほとんどボールが入りませんでしたね。時折見せるうまくいかない歯がゆさがアップの画面で分かります。タッチこそするものの、前を向いて力強いドリブルを仕掛ける機会がありませんでした。今節はジルーの代わりに彼がセンターフォワードで出場をしているのですが、ジルーのように前線で張っているタイプでもなければ、積極果敢に肉弾戦をしかけるタイプでもありません。


ドイツ代表でもアーセナルでもポドルスキーがこなしてきた役割は、センターフォワードの周りでチャンスを作ったり、セカンドストライカー的にチャンスを狙うことでした。パワーがあるのは体つきで分かりますし、シュート力も一級品です。他のチームメイトにないものを持っています。ただ相手を背負うプレーが彼の持ち味ではないし、空中戦にしてもそうです。


ベンゲルが彼を後半途中でベントナーと交代させたのも、やはりセンターとしての仕事を残念ながらまっとうできなかったことの証明かもしれません。ポドルスキーは怪我でほぼ前半戦を欠場していました。その間アーセナルの快進撃を作った立役者たちのスタイルが今のアーセナルですので、流動的に動けるワイドのポジションや二列目三列目ならともかく、文字通り動かずのセンターとしての役回りは、本職が最前線ではないポドルスキーとは微妙にスタイルが合わないのかもしれません。


ただ、それをアジャストできるのは時間の問題ですし、背番号9に限ってその心配は杞憂でしょう。ジルーのフォワードは必要ないという発言をボスが約束するのなら、ジルー仕様のフットボールとポドルスキー仕様のそれを用意しておかないといけなくなるでしょう。カーディフ戦では、これまで勝ち続けてきたスタイルにポドルスキーというピースを当てはめた感じでしたが、あまり機能しなかったですからね。ジルーのポストやはたきを幾度となく目にしてきたグーナーとしては、実際のところ物足りなさを感じていたはずです。


ベントナーは前で張るタイプなのでジルーの代わりをするのは問題ありません。デンマーク代表の彼であればジルーほどの期待値はないにしても、ピースにはぴったりとはまるだけに、このままアーセナルに留まってくれると助かりますね。出て行く発言で周囲を混乱させるベントナーですが、色々な事情があるにせよ、常時先発が約束されていないにせよ、自分のほうからガナーズから出て行かないほうが彼のキャリア的にもいいと思いますし。


そんなベントナーが88分に見せた至近距離からのネットを突き刺すゴール。鬱憤を晴らすかのような値千金の一撃でした。直後負傷退場となりましたが、このゴールの価値がどれほどのものかはセレブレーションに皆が集まってきていたことからも分かります。そしてロスタイムのテオのゴール。テオは乗ってますね。ゴールの積み上げ方が例年になく早いし、怪我明けのシティー戦からゴールやアシストで何かしらの結果を確実に残してきています。ヘッドでゴールも記録しており、スピードやカットインだけではないところを見せ付け始めていますね。


エジル、ラムジー、ジルーと前半を支えた攻撃陣三人が揃って欠場と、オフェンスの心配をするのも当然な状況でしたが、蓋を開けてみれば2-0の勝利。土壇場に決勝点が飛び出し、負けないアーセナルを体現しています。シティーやチェルシー、リバプールも危なげなく勝ちを手にしており、今日の一敗が即転落を意味する混戦模様のプレミアリーグですから、たとえ勝てなくとも敗戦だけは絶対に回避しなくてはいけません。


勝者のメンタリティーとは、どんな状況であろうが勝つというメンタリティーです。ユナイテッドに備わるこの心理は老将ファーガソンが現場から去った今、見られなくなりました。アーセナルの宿敵スパーズにオールドトラフォードで与えてはいけない勝ち点3を奪われてしまい、今年のタイトルレースからの脱落はほぼ確実で、万事休すでしょう。メンタリティーを見せ付けてくれたアーセナルは確かにこれまでと一味違います。


そう感じるのは、守備の劇的な改善があったからかもしれないし、攻撃が多彩になったからかもしれません。ただ一つ確実にいえるのは、勝ちたい気持ちが強いということです。当たり前の話ですが、その思いが相手を上回らなければ勝てる試合も勝てません。なければ必然の敗戦にもなります。勝者のメンタリティーはタイトル奪還を目指すアーセナルにとって、自分たちの哲学以上にある意味で絶対に必要なもので、それを目の当たりにできた価値ある勝利でした。




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